「せっかく有休があるのに、全然使えない…」
そんな悩みを抱えながら働く看護師さん、多いのではないでしょうか。
私もかつてその一人でした。看護師として10年近く勤務していた前の職場では、「有休=あってないようなもの」。一応「取っていい」とは言われるものの、実際には人手不足や同僚の目が気になり、申請すらためらっていました。
そんな息苦しさに疲れて転職を決意。すると、新しい職場では「有休を取るのが当たり前」という雰囲気に驚かされました。希望を出せばその通りに休めて、嫌な顔をされることもない——その変化は、まるで別世界のよう。
特に印象的だったのは、家族旅行の予定がちゃんと立てられるようになったこと。これまではイベントも諦めてばかりでしたが、「看護師なのに、こんなに自由に休んでいいんだ」と感動したのを覚えています。
もちろん、急変対応でバタつく日もあります。それでも、自分の生活スタイルに合わせて有休を活用できる環境が、これほど心を軽くしてくれるとは思いませんでした。
転職サービスを利用して、自分の理想とする働き方をじっくり相談できたのも、大きなポイントでした。条件に合った職場を提案してもらえたからこそ、今の快適な毎日につながったのだと実感しています。
この記事では、そんな「有休が取りやすい看護師転職」のリアルを、体験談を交えながらご紹介します。

有休が取りやすい職場への転職は可能?
看護師の有給取得率は年々上昇中
まず知っておきたいのは、看護師の有給取得率は実は少しずつ上がっているということ。厚生労働省の調査によると、看護師が働く医療機関での有給取得率は約67〜70%前後に達しています。これは全国平均に近い水準で、制度面は少しずつ整備されてきていることがわかります。
ただし、取得率が高くても「実際に休みやすいかどうか」は別問題。数字だけでは見えてこない、現場の雰囲気や職場文化も見極める必要があります。
転職で有休が取りやすくなる理由とは
転職によって、有休の「使いやすさ」が格段に向上するケースは珍しくありません。その理由は大きく分けて以下の3つです。
- スタッフ数に余裕があり、休んでも業務が回る
- 管理職が有休取得を推奨している
- シフト調整が柔軟で、希望休が通りやすい
このような職場では、有休を取ることに対して罪悪感を感じる必要がありません。むしろ「きちんと休んでリフレッシュしてね」という空気があり、心身の健康を保ちやすくなります。
ホワイト病院の特徴と見分け方
では、有休をしっかり取れる「ホワイト病院」とは、どのような特徴を持っているのでしょうか?
一つのポイントは、有給消化率が明記されていること。求人票に「有給消化率90%以上」といった記載があれば、実際の取得実績にも期待が持てます。
また、職場見学時にスタッフの表情や雰囲気をチェックするのも有効です。「明るく挨拶が交わされているか」「掲示板に休暇取得のガイドラインが貼られているか」など、小さなサインが有休の取りやすさを物語っています。
実際に転職を成功させた人たちも、「面接時に休暇制度についてしっかり確認した」「口コミで情報を集めた」といった工夫をしています。
有休が取りやすい看護師職場の条件とは?
年間休日・有給取得率の多さで見る
有休が取りやすい職場かどうかを判断する際、まず注目したいのが「年間休日数」と「有給取得率」。求人情報に「年間休日120日以上」「有給取得率90%以上」などの明記があれば、休暇を重視する職場である可能性が高いです。
特に有給取得率が高い職場は、制度だけでなく実際の運用がしっかりしている証拠でもあります。数字がはっきりしている職場は、看護師の働き方にも配慮している傾向が見られます。
中小病院やクリニックは狙い目?
意外かもしれませんが、スタッフ数が限られる中小病院やクリニックのほうが有休を取りやすい場合もあります。理由は、小規模ゆえにシフトの融通が利きやすいことや、スタッフ間の連携が密で相談しやすい点です。
もちろん、病院によっては人手不足が深刻なところもあるため、見学や面接時に「休みの取りやすさ」について具体的に確認しておくのがおすすめです。
シフトの柔軟性と人間関係の良さ
どれだけ制度が整っていても、実際に有休を申請する時に「言い出しにくい」と感じてしまう職場では、消化率はなかなか上がりません。休みやすい職場に共通しているのは、シフトの調整が柔軟で、職場内の人間関係が良好であること。
特にナース間のコミュニケーションがスムーズで、代わりの対応に協力的な雰囲気があると、有休の申請もしやすくなります。チームワークの良さは、結果的に「お互い様」が機能する職場をつくります。
残業や休日出勤の有無を確認しよう
もう一つ見逃せないのが、残業時間や休日出勤の実態。せっかく有休を取っても、日常的に残業が多かったり休日出勤が頻発する職場では、結局リフレッシュする時間が確保できません。
求人情報だけでなく、口コミやエージェントを活用して「残業の平均時間」「休日出勤の有無」などを具体的に確認しましょう。働きやすさの指標として、非常に重要なポイントです。
転職で有休を増やすための3つのポイント
求人票と実態を照らし合わせて確認
まず大事なのは、求人票に書かれている情報を鵜呑みにせず、実態と照らし合わせて確認すること。たとえば「有給取得率90%」と記載されていても、実際には部署やタイミングによって大きく異なる場合があります。
面接の際に「有給はどういったタイミングで取得されていますか?」「希望休はどのくらい通りますか?」といった質問を投げかけ、現場のリアルな運用を聞いてみましょう。
「有給消化率○%」の表記に注意
「有給消化率○%」の表現があると安心してしまいがちですが、これは全職員の平均であることが多いです。特定の部署だけ取得率が高く、実際に働く場所では取りづらい…ということも。
看護部における平均取得率や、あなたが配属される可能性のある部署について具体的に尋ねるのがコツです。
転職エージェントを活用して情報収集
「求人票だけでは実態がわからない…」という時に頼れるのが、看護師専門の転職エージェントです。過去にその職場へ転職した看護師の声や、実際の働き方に関する情報を蓄積しているため、求人票に載らない「内部事情」を知ることができます。
例えば、「○○病院は表向きは取得率高いけど、急性期病棟は取りにくいですよ」など、ピンポイントの情報がもらえることも。情報収集において、エージェントは非常に心強い存在です。
面接時に質問すべき内容とは?
面接の場は、条件確認のチャンス。とくに有休に関しては、具体的な質問を用意しておくのがおすすめです。
- 有休は希望通りに取得されていますか?
- 直近の1年間での平均取得日数は?
- 休みが被った場合の調整方法は?
こうした質問を通じて、職場の「休みやすさ」を間接的に測ることができます。聞きづらいと感じる方は、あらかじめエージェントに代行してもらうのも一つの手です。
転職後に後悔しないために確認すべきこと
有休取得実績と取得しやすさの差
転職前に「有休が取りやすい職場」と聞いていても、実際に働き始めてから「なんだか取りにくい…」と感じることはあります。これは、制度と実際の運用のギャップが原因です。
大切なのは、有休の「取得実績(数値)」だけでなく、「取得のしやすさ(雰囲気)」を確認すること。職場見学時のスタッフの表情や、面接時の受け答えのトーンにも注目してみましょう。
有休が取れる雰囲気かどうかを見極める
「制度上は取れるけど、誰も取っていない」「有休を申請すると空気が凍る」——そんな職場も少なからず存在します。
実際に有休を取りやすいかどうかは、日常の業務の中での空気感に大きく左右されます。職場のスタッフが「今度〇〇に旅行行くんですよ〜」と休暇の予定を気軽に話せる環境かどうか。こうした雰囲気が整っている職場は、安心して有休を活用できます。
試用期間中の有休ルールも忘れずに
見落としがちなのが、「試用期間中の有休取得ルール」。基本的に入職6か月後から有休は発生しますが、職場によっては試用期間中に特別休暇が使えるケースもあります。
事前に「試用期間中はどういう休暇制度になっていますか?」と確認しておくことで、入職直後の急な予定にも安心して対応できます。
まとめ|転職で「有休を大切にできる職場」へ
看護師として働く中で、有休が「名ばかり」になっていませんか?
職場を変えることで、有休をしっかり取得し、プライベートと両立できる働き方は十分に実現可能です。
この記事でご紹介したように、制度だけでなく「雰囲気」や「職場文化」を見極めることが、有休を活かせるかどうかの分かれ道になります。
まずは自分の希望を明確にし、信頼できる情報源や転職エージェントを活用して、理想の職場を探してみてください。
あなたもきっと、「看護師なのに、こんなに自由に休めるんだ」と感じられる職場に出会えるはずです。