看護師として「子育てと仕事の両立」に限界を感じていた私
看護師として10年間、総合病院で正社員として勤務してきた私ですが、二人目の育休から復帰して以降、心が少しずつすり減っていくのを感じていました。
希望したシフトは通らず、夜勤や急患対応は避けられない。上司に「家庭との両立がつらい」と相談しても、「みんな同じだから」と一蹴されました。
毎日、子どもとゆっくり話せる時間は30分もなく、母としても看護師としても「中途半端」な自分に、自責の念ばかりが募っていきました。

「契約社員」という働き方との出会い
転職を考え始めたとき、何気なく登録した看護師専門の転職サービスで、「契約社員」という雇用形態を勧められました。
「契約社員って、安定しないんじゃ…?」そんな先入観があった私ですが、紹介された求人の中に、週4日・9時〜16時勤務・残業ほぼゼロ・時給2,000円以上という条件の訪問看護の仕事があり、思わず心が動きました。
家族と話し合って出した決断
夫と話し合い、収支のシミュレーションを何度も行った結果、「この条件なら家計は問題ないし、なにより精神的にラクになれそう」と判断。私は契約社員としての転職を決意しました。
契約社員になって半年、今の暮らしは?
あれから半年。現在の私の生活は、大きく変わりました。
- 勤務時間:週5+夜勤から、週4・日勤のみへ
- 月収:ボーナスはないが、手取り約22万円で家計に不安なし
- 家族との時間:朝晩一緒に食事ができ、子どもの話を聞く時間も
- 心の余裕:子どもにイライラをぶつける回数が激減
もちろん、契約更新や昇給の面では不安もありますが、正社員のときのような重圧はなく、何より「精神的に自由」でいられることが、私にとっては何よりの満足です。
「契約社員」という働き方は、もっと知られるべき選択肢
同じ職場には、私と同じように「子育てと両立したくて契約社員を選んだ」という仲間が多く、お互いに助け合いながら働ける雰囲気も大きな支えになっています。
看護師の転職は、正社員だけが選択肢ではありません。契約社員という道も、実はとても満足度の高い働き方なんです。
もし今、働き方で悩んでいる方がいたら、「雇用形態にとらわれない選択」を、ぜひ一度考えてみてほしいと思います。
契約社員として働く看護師が増えている理由
ライフスタイルに合わせやすい働き方
契約社員の看護師が増加している最大の理由は、何といっても「働き方の自由度の高さ」にあります。正社員に比べて勤務時間や日数を柔軟に調整できるため、子育てや介護、自己学習の時間を確保したい人にとっては非常に魅力的な選択肢です。
たとえば「夜勤なし」「週3〜4日勤務」「土日休み」など、自分のライフスタイルに合わせた条件で働ける求人が多く見られます。これはフルタイムでの勤務が難しい看護師にとって、無理のない復職や転職を後押ししてくれる形となっています。
正社員との違いと選ばれる背景
勤務時間と責任の違い
契約社員は基本的に業務内容や時間が明確に区切られているケースが多く、夜勤や緊急対応などの負担が軽減されやすいのが特徴です。責任の重さも限定的であるため、「看護師としては続けたいけど、家庭とのバランスが第一」という方に選ばれています。
また、役職やリーダー業務が求められない分、人間関係や業務ストレスが少なくなる傾向もあります。
雇用の安定性と不安要素
一方で、契約社員は原則として有期雇用であり、契約期間の終了時に更新されるかどうかは施設側の判断次第です。そのため、「いつか切られるのでは?」という不安を抱える方も少なくありません。
ただし、近年は長期更新前提の求人も増加しており、パフォーマンスや勤務態度次第では「更新可」や「正社員登用制度あり」の職場も多く見られるようになっています。契約条件を事前にしっかり確認することで、大きなトラブルを避けることが可能です。
看護師が契約社員になって満足した体験談
働きやすさに惹かれた転職理由
異動なし、残業少なめの環境
契約社員としての転職を決めた理由として、最も多く聞かれるのが「働きやすさ」です。特に、異動や転勤がない、残業がほぼ発生しない、という点に魅力を感じる方が多く、実際にその条件で働き始めた人からは「心身の負担が軽くなった」という声が数多く挙がっています。
また、訪問看護やクリニック勤務など、時間管理がしやすい業種での契約社員求人が増えており、朝夕の家庭の時間をしっかり確保できる点も人気の理由です。
職場との相性が合えば長期も可能
「契約社員=短期」というイメージを持たれがちですが、実際には「更新を前提とした長期雇用」のケースも増加しています。特に相性の良い職場であれば、3年、5年と続けて働くことも珍しくありません。
契約社員という選択が、看護師としてのキャリアをリセットするのではなく、むしろ再構築するチャンスになる――そんな実感を持って働いている方も多いのです。
実際のメリットとギャップ
収入・福利厚生の比較
「正社員より給料が下がるのでは…」と不安になる方もいますが、契約社員でも時給制でしっかりとした収入を得られるケースが多く、実際に「手取りはほぼ変わらなかった」という人も。
ボーナスや昇給は限定される場合が多いものの、代わりに時間的余裕や精神的なゆとりが手に入るという声が多数です。また、社会保険や交通費支給など、基本的な福利厚生が整っている求人も多く見受けられます。
更新制度や退職時の注意点
契約社員で働く上での注意点として、「契約更新の条件」「退職手続きのタイミングと方法」は必ず確認しておきたいポイントです。突然更新されないと困ることもあるため、最初から更新可否の基準を人事やエージェントに確認しておくと安心です。
また、契約満了での円満退職も多く、引き継ぎやトラブルの少なさはメリットのひとつです。
契約社員として働く前に知っておくべきこと
転職時の注意点とチェックリスト
条件・期間・更新方針の確認
契約社員として働く前に最も重要なのが、「契約内容の詳細をしっかり確認すること」です。勤務日数・時間・休憩時間はもちろん、有期契約の期間や更新方針(自動更新か、評価による更新か)も事前にチェックしておきましょう。
施設によっては「年度更新が前提」のところもあれば、「勤務態度により更新判断」とするところもあります。後から「そんなつもりじゃなかった…」とならないよう、面談時には不明点を必ず質問するのがポイントです。
福利厚生・賞与の有無
契約社員でも社会保険や通勤手当が支給される職場は多いですが、賞与(ボーナス)や退職金制度はつかないケースもあります。これらの待遇面は求人票に記載がないこともあるため、直接確認することが重要です。
また、健康診断や産休育休制度の対象となるかどうかも、家庭との両立を考える方にとっては非常に重要な項目です。事前の情報収集が、働き始めた後の安心感に繋がります。
転職エージェントの活用法
条件交渉や面接準備でのサポート
契約社員としての転職では、転職エージェントのサポートが非常に役立ちます。希望条件に合う求人の紹介はもちろん、給与交渉や勤務時間の相談など、自分では言い出しにくいことも代わりに交渉してくれます。
また、面接でよく聞かれる質問への対策や、職場の雰囲気・過去のトラブル事例など「求人票では分からない情報」を教えてくれるのも大きな魅力です。
自分に合う職場選びの基準
「家から近い」「夜勤がない」「残業ゼロ」など、条件面に目が行きがちですが、それ以上に大事なのが「その職場の雰囲気が自分に合っているか」です。スタッフ間の関係性やサポート体制、管理者の考え方などが、自分の価値観と一致している職場であれば、長く安心して働けます。
エージェントを通すことで、職場の「中のリアルな情報」まで知ることができ、ミスマッチのない転職につながります。
まとめ|契約社員という働き方で得られる満足とは?
看護師としてのキャリアは「正社員」だけに限りません。契約社員という働き方には、時間や心にゆとりが生まれ、家庭との両立がしやすくなるという大きなメリットがあります。
実際に契約社員として転職し、「仕事と子育てを無理なく両立できている」と感じる看護師は少なくありません。もちろん、契約更新や福利厚生など注意すべき点もありますが、それ以上に「自分らしく働ける」実感を持てる人が増えています。
今の働き方に疑問を感じているなら、一度立ち止まって、「雇用形態にとらわれない選択肢」を見つめ直してみてはいかがでしょうか? あなたにとって本当に満足できる働き方が、意外なところに見つかるかもしれません。