「このままでいいのだろうか…」
看護師として20年以上のキャリアを持つ私は、40代に突入してから、ふと自分のキャリアや働き方について立ち止まって考えるようになりました。
若い頃は体力も気力も無限に近く、「患者さんのためなら」と頑張っていました。でも、年齢とともに気づく点も出てきたのです。今回は、同じように働きやすさを求めて転職を考える方の背中を押すべく、私の体験を丁寧に振り返ります。

【体験談】私の転職ストーリー
私の看護師人生は総合病院での20年。あの頃は、夜勤も厭わず急性期医療に打ち込み、やりがいに満ちていました。
しかし、40代に差し掛かった頃から、体力の限界を感じるようになりました。
夜勤明けに一晩も眠れず、翌日の処置中に手が震えるほど疲れたこともありました。そんな時、ベッドで小さく丸まっている自分を見て、「本当にこのままでいいのか」と深く考え込んでしまったのも正直な話です。
また、責任あるポジションに就いていたことで精神的な負担も増え、気づけば夜も眠れず、朝起きるのが怖くなっていました。同僚との議論が増え、「なんで伝わらないんだろう」と落ち込む日々も続きました。これが、人間関係の摩擦やジェネレーションギャップの始まりでした。
心に重くのしかかった「もう辞めたい」
一番つらかったのは、「もう看護師を辞めてもいい」と思った瞬間でした。
とはいえ、患者さんに寄り添い、笑顔で退院される姿を見る瞬間は今でも胸が熱くなります。仕事が嫌いなわけではない――それでも「この働き方では、自分が壊れてしまう」と感じたのです。
そんな中、ふとした瞬間に子どもの顔が浮かびました。「このままの生活を続けていたら、家族と過ごす時間なんて残っていない」と。そこから、本格的に「働き方を変える」ことを考えるようになりました。
転職を考えたきっかけと心の葛藤
転職を考え始めた当初は、自分の年齢に強いプレッシャーを感じました。
- 「40代で新しい環境に飛び込んでうまくやっていけるのか?」
- 「若手スタッフばかりの中で居心地は大丈夫だろうか?」
- 「家庭との両立はどうしよう…」
でも、転職サイトを通じてエージェントに話を聞いてもらい、気持ちが変わりました。「40代での転職は珍しくありません」「今ある経験が強みになりますよ」と言っていただけたのです。
その一言が、とても大きな支えになりました。さらに、「無理にキャリアアップを目指さず、自分のペースで働ける職場を選びましょう」とアドバイスをもらい、転職活動に対する不安が少しずつ和らいでいきました。
決断して選んだ“今の職場”
最終的に私が選んだのは、高齢者施設での日勤メインの勤務。週に2日は完全オフ、残業は月に数時間程度です。
転職前と比べて、生活は一変しました。午後には家に帰り、家族と夕ご飯を囲む時間が増え、心に余裕が戻ってきました。
施設は静かで穏やか。高齢の利用者さんとじっくり向き合える環境に、「やっぱり看護師っていいな」と心から思えるようになっています。
新しい環境で得られた「働きやすさ」
具体的に、私が感じている“働きやすさ”とは:
- 無理をしない働き方:自分の体調やペースに合わせ、力の配分ができる
- 穏やかな人間関係:同世代や同じ悩みを経た先輩たちとの協力体制
- 家庭との両立:週末はしっかり休め、プライベートが充実
- 精神的な安定:「もう辞めたい」と思わず、毎日前向きに仕事に取り組める
これらは、20年間総合病院で培ってきた経験や知識があったからこそ、今の施設でも活きていると感じます。
40代だからこそ活かせる経験とは?
40代の看護師が転職で活かせるのは、
- 臨床現場での豊富な経験
- 緊急対応のスキル
- 若手への指導力
- 多様な視点でのチームマネジメント
新しい職場では、これらを若手看護師へ伝える機会も多く、自分の“歴史”が誰かのためになっていると実感しています。
転職成功に向けてのアドバイス
- まずは自分の優先順位を書き出す:体力面?人間関係?家庭とのバランス?
- エージェントに遠慮せず相談:年齢に対する不安や条件は、言葉にして初めて伝わる
- 面接の際は、自分が働きたい理由やライフスタイルを正直に伝える
- 可能であれば、その職場の現場見学をして雰囲気を自分の目で確かめる
- 転職後も無理せず「働き方に慣れていく」ことに焦らない
まとめ|40代転職は“一区切り”ではなく“スタート”
40代での転職は簡単な道ではないかもしれません。でも、「もう遅い」と感じている方にこそ、本当は可能性がたくさんあります。
これまで築いてきた経験とスキルは、あなたの宝物です。そして、自分らしい働き方を選ぶことで、看護師として、また一人の人間としても、より豊かな人生が待っています。
「今のままで本当にいいのか?」と自問しつつ、少しでも「働きやすそう」と感じたら、一歩を踏み出してみませんか?その勇気が、きっとあなたの未来を変えてくれます。