介護と仕事の両立に悩む看護師が増加中
看護師15年目、私は40代半ばで急性期病棟に勤務していました。スピード感と緊張感のある現場にやりがいを感じ、充実した日々を送っていました。しかし、ある日突然母が脳梗塞で倒れ、私の生活は一変しました。
救急搬送された母が処置を終え、ベッドに横たわる姿を見たとき、頭が真っ白になったのを今でも鮮明に覚えています。退院後、母は要介護2と診断され、歩行補助や食事のサポートが必要な日常が始まりました。
夜勤明けにデイサービスの送り迎え、リハビリへの付き添い、食事や服薬の管理…。もともと少なかった睡眠時間はさらに削られ、限界はすぐに訪れました。ある日、階段から落ちかけた瞬間、「このままじゃ母も私も共倒れになる」とはっきり思ったのです。
それでも「辞めたくない」。看護師としてのキャリアを諦めたくない葛藤の中、転職サービスに相談することを決意しました。担当者から「あなたと同じように悩む看護師さんは多いですよ」と言われたとき、涙が出そうになりました。
紹介されたのは、週3日勤務の日勤のみ、訪問看護の仕事。介護との両立に理解ある職場で、時間の融通が利く環境でした。転職後は、朝に母の支度を済ませてから出勤し、15時過ぎには帰宅。夕方はゆっくり母と食事を楽しむ──そんな日常が取り戻せたのです。
年収は下がりましたが、心の余裕と母との時間は取り戻せました。介護保険を活用して福祉用具をレンタルし、ケアマネジャーや行政支援を受けることで、「もっと早く知っていれば…」と後悔するほど助けられました。
私は「働き方を変える」という選択をすることで、母も自分も守ることができました。今、同じ苦しみを抱えている看護師がいるなら、どうか一歩踏み出してほしい。あなたに合った両立の道が、きっと見つかります。

看護師が介護と仕事を両立するのが難しい理由
夜勤・シフト勤務の負担
看護師の約82%は病院勤務で夜勤等のシフト制勤務を強いられ、家庭との時間調整が困難です :contentReference[oaicite:1]{index=1}。
介護の突発対応
急な体調変化や通院調整など、勤務中に柔軟な対応が求められる場面が多く、「両立できない」という葛藤を抱えるケースが半数以上にのぼります :contentReference[oaicite:2]{index=2}。
社会背景:少子高齢化と家族介護の現状
日本では2022年時点で65歳以上が人口の約29.1%を占め、2050年には3人に1人が高齢者となる見通しです :contentReference[oaicite:3]{index=3}。これにより、家族介護を担う人々が増え続けています。
中でも女性が主たる介護者となる割合は約66%にのぼり、精神的・身体的負担が大きくなる傾向が見られます :contentReference[oaicite:4]{index=4}。
両立を実現するための働き方の見直し
日勤・パートタイムの活用
夜勤なしの日勤常勤やパート勤務は、育児や介護との両立に最適。「シフトの自由度が高く、時間の調整しやすい」との声が多く寄せられています。
訪問看護・デイサービスのメリット
訪問看護は2023年時点で全国に15,697事業所、約10万人の看護師が従事しており、日中勤務が基本のため介護との相性が良いです :contentReference[oaicite:5]{index=5}。
1人あたり月71.9回訪問し、月収に換算すると約61万円の売上が見込めるため、安定収入を得ながら両立可能です :contentReference[oaicite:6]{index=6}。
在宅勤務・電話相談業務
健康相談窓口やオンライン看護は通勤時間不要で時間効率が高く、介護者にも優しい働き方として注目されています。
転職先選びのチェックポイント
介護支援制度の確認
介護休暇や時短勤務制度、在宅勤務制度などが整った職場は安心して長期勤務しやすい環境です。
職場風土・理解度
相談しやすい職場文化や上司・同僚の理解があるかどうかは、離職・ストレス回避に大きく影響します。
非公開求人へのアプローチ
訪問看護や介護施設など、両立に理解ある求人は非公開されている場合が多く、転職エージェント活用が有効です。
介護×看護師 両立成功のリアル体験
私のように週3日訪問看護に転職した看護師は多く、「キャリアも収入も犠牲にしたくない」「でも家庭も大切にしたい」という壁を越えた人が増えています。
統計的にも、介護負担を抱える女性看護師は主観的な幸福度が低下しますが、社会参加や支援利用でその傾向は軽減されると報告されています :contentReference[oaicite:7]{index=7}。
行政・地域・制度の支援活用術
- 介護保険制度による福祉用具レンタル(ポータブルトイレ・手すりなど)
- ケアマネジャーや地域包括センターの相談サービス利用
- 訪問看護ステーションの連携やICT化(訪問記録効率化など)による業務負荷軽減 :contentReference[oaicite:8]{index=8}
まとめ|キャリアも介護も諦めないために
介護と看護師という二つの責任を背負うことは、大きなストレスと葛藤を伴います。しかし働き方を見直し、支援を上手に活用することで、「両立できる自分」を取り戻せます。
まずは相談してみてください。無料相談でも検索でも良いのです。行動したその先に、新たな両立の道が見えてくるはずです。